肝臓がんは、肺がんや子宮頸がんと並び、主要な発生要因が明らかになっているがんの1つです。B型、C型肝炎ウイルスに感染した人は、肝がんになりやすい「肝がんの高危険群」と言われています。
B 型、C 型肝炎はウイルス性肝疾患で、輸血、注射針の使いまわし、針刺し事故などが原因といわれています。 B 型、C 型肝炎ウイルスは主に血液や体液を介して感染します。また、症状が出るまでに時間を要する場合もあるので、特に輸血や手術の経験がある方は、 一度検査してみることをお勧めします。
肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなります。肝臓は予備能力が高く慢性肝炎や肝硬変になっても自覚症状が出ないことが多いことから「沈黙の臓器」と呼ばれています。
B型肝炎の潜伏期間は感染してから1～6ヶ月の潜伏期間を経て、倦怠感や食欲不振、悪心、嘔吐などの症状が出ます。さらに悪化すると尿が茶色くなったり、 皮膚や白目が黄色くなるなどの症状が現れます。
C型肝炎の潜伏期間は、血液を介して感染し、2～14週間の潜伏期間を経て急性肝炎を起こすことがありますが、急性肝炎を起こすことは比較的少なく、多くは感染しても自覚症状がない不顕性感染です。 また、C型肝炎の60～80%の人は、ウイルスが自然に排除されることなく慢性化し慢性肝炎になります。
肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査によって調べます。検査は血液中にHCV抗体があるかどうかを調べる「HCV抗体検査」と、HCVの遺伝子を調べる「HCV-RNA検査」を併用して行い、 ほとんどの病院や診療所で受けることができます。また、自宅でもできる検査キットなども販売されています。
陽性の場合に疑われる疾患は、B 型肝炎（急性・慢性）・C 型肝炎（急性・慢性）・肝硬変・肝がんがあります。
肝炎や肝臓がんは定期的な検査によって、未然に重症化を防ぐことが可能です。病院での定期検診や自宅でのセルフチェックでご自身のリスクチェックをおこないましょう。
