便通。どこまでが普通?どこからが不通?
たかがうんち、されどうんち。現代人にはそのうんちが思うように出ないで悩んでいる人がたくさんいます。いわゆる便秘ですが、特に女性に多く見られる傾向があります。その理由ついてはさまざまな説がありますが、大抵の場合は生活習慣が関係していると言われています。
便秘は、それ自体が病気というわけではありません。もちろん、病気が影響しているケースもありますが、便秘そのものはあくまでも状態や症状といったものです。では、医学的な意味での便秘とは何でしょうか? それは「便が思うように出ないこと」を言います。なんだかあいまいですが、医学的にも標準的な便の回数や量が決められているわけではありません。もともと便の回数や量の個人差は
大きく、その人にとっての普段の便通状態から見て、便の出が明らかに悪くなった状態、それに伴い不快を感じる状態が「便秘」、というのが現在の医学的な考え方なんです。
たとえば、普段から週に2回程度しか便通がなくても、特に不快な症状がなければ、それは便秘ではなく、その人にとっての標準的な状態であると考えて問題ありません。逆に、たとえ毎日便通があったとしても、普段より硬い便で、残便感があってスッキリしないというのであれば、それは便秘であるということになるんです。
女性に便秘が多い理由
女性に便秘が多い理由については、以下のようなことが原因になっていると考えられています。
1プロゲステロン(黄体ホルモン)の存在
女性は、卵巣からプロゲステロンと呼ばれるホルモンが分泌されています。このプロゲステロンには、カラダに水分をため込もうとする働きがあり、消化管からの水分の吸収を促進します。そのため便を固めやすくする可能性があります。2骨盤構造
男性と違って女性は骨盤が広くできています。これは胎児を育てるためでもありますが、消化管にとっては「自由度」の大きい環境になっていてます(言い換えれば、おなかの中の腸の固定が悪い)。こうした骨盤構造が、便を運び、排泄するという機能にとって障害になっている可能性があります。3腹筋の力
腹筋が弱いと、腹圧を十分にかけることができません(つまりふんばれない!)。男性と比較して女性は腹筋が弱いため、これが排泄力の弱さ、つまり便秘につながっているとも考えられています。便秘を解消しよう!
便秘を解消するために重要なのは、生活習慣の改善です。特に食事と運動が大切なテーマになります。もちろん、体質の影響もあります。しかし、生活習慣が変わると、体質も変わってきます。最初は一時的な便秘でも、繰り返していくうちに慢性化し、なおりにくくなっていきます。早め、早めに対処するのがオススメです。
●食物繊維を多めに摂ること
食物繊維は便の形を作るとともに、腸内細菌の働きを整える機能もあります。また、腸の表面を掃除する(コロンクレンジング)効果もあります。これは生活習慣病やガンの予防に重要な働きだといわれています。●水分を多めに摂ること
水分不足は便を硬くする要因。水分は日ごろから多めに摂ることが大切。●ミネラルをしっかり摂ること
カルシウムやマグネシウムは、便の水分量を増やし、排便をスムーズにする。●善玉菌を補給すること
ヨーグルトには、善玉の乳酸菌が多く含まれる。また、オリゴ糖は善玉菌のエサになるので、多めに摂る。●カラダをしっかり動かすこと
カラダを動かせば、腸も動く。また、自律神経の働きを活性化させ、間接的にも腸に作用する。うんち健康診断
便には健康状態に関する情報が多く含まれています。便の異常が病気の診断につながることもあるから、うんちを見ることには重要な意味があります。占いの健康運より当たるかもしれないのでら、あなたなりによく観察してみよう。
便秘で器質性の原因が疑われる場合や、便の性状に異常がある場合には、精密検査が必要になることがあります。また、便秘をきっかけに発見される大腸ガンや直腸ガンもめずらしくありません。特に中高齢で急に始まった便秘の場合には、必ず検査を受けておくようにしましょう。