糖尿病とは
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)の値をコントロールするホルモンであるインスリンが不足したり、その効きが悪くなったときに起こる疾患です。インスリンの効きが不十分だと、カラダの組織にブドウ糖が取り込まれず、結果として血液中にブドウ糖がだぶついてしまいます。これが糖尿病でみられる、血糖値の上昇です。血糖値が180㎎/㎗程度以上になると、尿糖が出現します。逆を言えば、血糖値180㎎/㎗未満の程度の軽い糖尿病では、空腹時には尿糖が出現しないことがほとんどです。そのため検診で尿糖が陰性の場合でも、糖尿病ではないと断言することはできません。糖尿病は原因別に1型糖尿病と2型糖尿病に分けられます。これ以外にも、薬剤や他の病気によっておきる二次性糖尿病などがあります。
●1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓のインスリンを分泌する細胞が破壊されるため、インスリンの分泌が極端に低下することで発病します。主に若年者に発病する糖尿病であり、放置すると糖尿病性の昏睡で死に至ることもある危険な疾患です。●日本人に多い2型糖尿病
もうひとつの2型糖尿病は、日本人の糖尿病の95%以上を占めています。原因ははっきりしていませんが、遺伝的に糖尿病になりやすい人に過食や運動不足などの環境因子が加わり発病すると考えられています。いま日本で急増しているのがこのタイプで、2002年に実施された厚生労働省の糖尿病実態調査によれば、糖尿病が強く疑われる人が約740万人、糖尿病の可能性がある人と合わせると約1620万人いることがわかっています。2型糖尿病は、初期にはほとんど自覚がなく、少々血糖値が高くても、仕事や生活に差し支えるほどではありません。このため軽い疾患と受け取られがちで、検診などで糖尿病が見つかっても、治療を受けずに放置してしまう人が多いのです。糖尿病実態調査でも、糖尿病が強く疑われる人の約50%が治療を受けていませんでした。しかし、糖尿病を治療しない、もしくは不完全にコントロールしていた糖尿病患者の人たちには、かなりキビシイ未来が待っています。日本では糖尿病患者数の増加にともなって、糖尿病性合併症で悩む人も増えています。最悪は失明や腎不全、手足の壊疽(腐ってしまうこと)による切断という事態もあるので、油断は禁物です。